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消化器内科編

2011/2/4掲載
 
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日本人、特に中年男性に多い胃がん ピロリ菌除菌で予防も可能に
 
日本赤十字社熊本健康管理センター 副所長
三原 修一氏
日本人のがんの部位別死亡原因で、常にトップクラスにある胃がん。最近では、リスクを抑えることにより、予防が可能になったそうです。

 ■胃がんの発生にピロリ菌が深く関わっているそうですね。
 ピロリ菌とは、別名ヘリコバクター・ピロリとも呼ばれる細菌です。日本人の約半数がこのピロリ菌に感染していて、高齢者の感染率はさらに高くなります。ピロリ菌に感染すると、胃の粘膜を傷つけ胃炎が起こります。そして時間をかけて、慢性的に炎症が持続し、胃の粘膜が薄くなる慢性萎縮性胃炎になります。その結果、胃粘膜の防御反応が低下し、胃・十二指腸潰瘍や胃がんが発生しやすくなってしまうのです。

 ■ピロリ菌を取り除くことはできるのでしょうか。
  ピロリ菌の検査にはいろいろな方法がありますが、最も精度が高いのは、尿素呼気試験です。検査の結果、ピロリ菌が認められる場合は、ピロリ菌の除菌を行うことで潰瘍や胃がんの発生をかなり抑制できることがわかっています。除菌の成功率は一次除菌で60〜70%、二次除菌で90%以上です。胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんの内視鏡的治療後の再発予防の場合などは保険治療の適応になります。また、ピロリ菌感染によって、慢性萎縮性胃炎がどの程度進行しているかを調べること(ペプシノゲン検査)で、胃がんのリスクも判定することができます。

 ■除菌をすれば胃がんになりませんか。
 あくまでもピロリ菌は、胃がんのリスクの1つですので、40歳になったら、年に一度の胃の検査をするとともに、飲酒、喫煙、熱い飲食物などの生活習慣に気をつけましょう。



 
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