くまにち メディカルインタビュー
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神経内科治療最前線 不整脈

2009/10/17掲載
 
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1日1回の脈測定の習慣を
 
医療法人社団 知新会 西村内科脳神経外科病院 医師
園田 隆次氏
放っておくと重篤な病気につながる不整脈。特に心房細動という不整脈のある人は、通常の5〜6倍脳梗塞を発症しやすいといわれています。不整脈から引き起こされる病気や日ごろの予防法について聞きました。

 ■不整脈を発症する確率は、高齢の方が多いですか?
 特に50代後半から80代の方の発症が多いようです。年齢とともに増加していくということはありますが、年齢に関係なく若い方でも起こるケースはあります。不整脈を発症する要因としては、高血圧や心臓病、糖尿病など、何らかの基礎疾患を抱えていることに起因することも少なくありません。

 ■不整脈が起こると、どのような病気を引き起こしますか?
 突然倒れてしまう脳梗塞があります。心房細動という不整脈が起きると血栓ができやすくなり、脳梗塞を発症する確率が5〜6倍になるといわれています。また心臓の働きが約3割低下するため、心不全の引き金にもなります。血栓が目に移動すると失明、腎臓に移動すると腎梗塞など、重篤な病気を引き起こす可能性があります。特に脳梗塞になると、言語障害や麻痺など大きな障害が残ることもあるので、大事に至らぬ前に不整脈に気づくことがとても大切です。

 ■心房細動から重大な病気を引き起こす際の初期症状はありますか?
 動悸や息切れ、ふらつきなどの症状があります。しかし、中にはまったく症状がなく、突然倒れるという方もいらっしゃいます。

 ■心房細動が起きてからの治療法は?
 三つの治療が必要です。一つは、血栓ができないようにすること。二つ目は、心不全にならないようにすること。三つ目は、元の脈に戻す治療です。心房細動がおきてから時間が長く経っていると血栓ができている可能性が高く、元の脈にも戻りにくくなるので、早く受診する必要があります。

 ■不整脈から重大な病気に至らないために、家庭でできる予防法は?
 毎日の測定による早期発見が重要な鍵となります。一日1回、脈を測定するなど、日ごろからの習慣付けが大切です。脳梗塞などは、心房細動が起きてからの経過時間が重要となるので、何かあればすぐ受診できるように、朝測定されることをおすすめします。毎日測定していると、今日はリズムが不規則、いつもより弱いなど、細かい変化にも早く気づくことができます。また、高血圧やメタボなどの生活習慣病も、不整脈の引き金になりますので、食生活も含めた生活全般を見直すことが大切です。何か気になる点があれば、時間をおかずにすぐ専門医を受診してください。



 
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