くまにち メディカルインタビュー
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胃腸科最前線 消化管の内視鏡検査

2009/8/22掲載
 
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身体への負担が少ない内視鏡検査
 
医療法人社団魁正会 服部胃腸科 理事長・院長
後藤 英世氏
飲みすぎ食べすぎから仕事や家事のストレスまで。胃腸の具合が悪いと感じても、つい市販薬でしのぐなどして我慢しがちです。体への負担が軽く精度も高い内視鏡検査について聞きました。

 ■胃痛や便秘、下痢など胃腸の不調は日常よく耳にしますが。
 人の体には口から肛門まで約9mの1本の管がつながっており、これを消化管と呼びます。消化管では食物の消化を行いますが、日本の場合、消化管の病気で最も発生率が高いのが胃の病気で、次いで大腸、食道の病気と続きます。

 ■どんな病気がありますか。
 よくみられる病変には胃潰瘍(かいよう)や急性・慢性胃炎、胃ポリープなどの良性疾患があり、ストレス社会を反映した過敏性腸炎や高齢者に多い逆流性食道炎も増加傾向にあります。胃がんは最近、罹(り)患率・死亡率ともに減少傾向ですが、それでもまだ、がん患者数の上位を占めています。大腸がんやポリープは近年、著しく増加しており、近い将来、大腸がんは部位別のがんのトップになると予想されています。

 ■検査について教えてください。
 一般に胃カメラと呼ばれる上部消化管内視鏡検査では、胃の中だけでなく咽頭から食道、胃、十二指腸まで見られます。口から入れる「経口内視鏡」と鼻から入れる「経鼻内視鏡」があり、麻酔の使用により9割以上の方が「経口でもラクに検査ができた」と言われます。胃がんもごく初期であれば内視鏡による治療が可能で、開腹手術を行った場合より術後の患者さんの生活の質の向上が期待できます。胃がんは早期発見・早期治療が非常に大切で、40〜50歳以上の方は年1回の胃がん検診をお勧めします。

 ■では、大腸の検査は?
 便潜血検査、注腸造影検査、内視鏡検査があり、その中で最も精度が高いのは大腸内視鏡検査です。大腸がんは従来、隆起型のポリープが大きくなって起こると思われていましたが、最近では大腸がんの一部は「平坦陥凹型」のものから発生すると考えられています。ほとんど高さのないこの病変を早期発見するためには、術者の熟練と大腸内の洗浄状態が良いことが必要です。最近、拡大内視鏡とNBI(狭帯域フィルター内視鏡)の併用により、病変が良性か悪性か、内視鏡で切除が可能かなどが1回の検査である程度わかるようになりました。

 ■内視鏡検査はつらいのでは?
 麻酔を使用すると、ほとんどの患者さんは眠った状態でラクに受けられます。以前は検査時に空気を送って胃腸を膨らませていたため、検査後におなかの張りが残っていましたが、吸収のよい二酸化炭素ガスを使用することで、その不快感も防ぐことができるようになりました。



 
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