くまにち メディカルインタビュー
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乳腺外科最前線 乳がんの検診と治療

2008/11/1掲載
 
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検診技術の進歩で早期発見
 
むらたクリニック
村田和哉氏
医学博士
熊本大学医学部卒業
熊本大学医学部大学院博士課程修了
日本外科学会認定外科専門医
ピンクリボン運動の高まりとともに乳がんへの関心が高まっています。早期発見すれば決して怖い病気ではないのですが、誤った思い込みや他人の体験談を自分に当てはめ、検診をためらう人も多いそうです。

 ■乳がんへの関心が高まり自分でチェックする人も多いようですね。
 確かに、自己検診で「胸にしこりがある」「乳房に変化を感じる」と来院されるケースも増えてきました。しかし、「自己検診で分かるから大丈夫」と思い込むのは危険です。自分で見つけられるしこりは2p以上に大きくなっていることが多く、がん細胞がそこまで成長する以前、つまり手に触れる前に発見することが大事です。乳がんは何より早期発見、早期治療が大切なので、まずは自治体の検診や職場の健康診断などの定期検診を必ず受けてください

 ■マンモグラフィー検査は圧迫板で胸を挟まれて痛いと聞きますが。
 痛みの感覚には個人差があるのに、そのような風評が独り歩きしているのが現状です。マンモグラフィーは乳房専用のX線撮影で、触診では診断できない小さなしこりや、手に触れにくい石灰化した微細な乳がんの発見に優れた効果があります。乳がんの罹患(りかん)率が最も高いのは40歳代後半から50歳代ですが、加齢とともに乳腺が萎縮し脂肪化が進むので、撮影時の痛みも感じにくくなります。

 ■超音波検査(エコー検査)は若い方に向いているのですか?
 30歳代以下や乳腺が密な女性だと、X線写真での判定は困難です。一方、エコーなら痛みもなく5〜10分で検査でき、経過観察が必要なしこりのサイズや形を比較できるという長所があります。中でも、乳腺内の血流をリアルタイムで確認できるカラー・ドプラー超音波は、しこりが良性か悪性かの質的診断の一助にもなり、患者さんの苦痛を軽減しつつ多くの情報が得られます。検査を恐れて受診が遅れるのは最も避けたいこと。マンモグラフィーの代わりに、エコー検査だけでも受けられるようお勧めします。

 ■乳がんと診断された場合は?
 定期検診などで早期発見できた場合は、高い確率で乳房温存手術が可能で、傷跡も目立たないよう工夫できます。2p以上のしこりも術前に抗がん剤でがんを小さくすることで温存手術が可能になります。乳がんは検査も治療法も日進月歩で、さまざまな選択肢があります。誤った自己判断で不安を抱えるより、早急に専門医に相談してください。



 
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