くまにち メディカルインタビュー
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消化器内科最前線 肝臓がんの治療

2008/7/12掲載
 
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血管内からがん細胞を治療する肝動脈塞栓術
 
九品寺クリニック院長
横山利美氏
切除手術やラジオ波の焼灼(しょうしゃく)とともに、肝臓がんの治療に用いられる肝動脈塞栓術。「カテーテル」といわれる細い管を病変部の血管内に入れて、そこから治療を行います。治療法と効果について聞きました。

 ■肝動脈塞栓術とはどのような治療法ですか?
 がんに酸素を供給している血管を人工的にふさぎ、がん細胞を窒息させる方法です。大腿部の付け根の部分にある大腿動脈からカテーテルを差し込み、先端を肝動脈まで進めて塞栓物質や薬剤を注入します。肝動脈を塞栓すると、肝がんだけでなく肝臓の正常な部分も窒息してしまうのではと心配されるかしれませんが、正常肝細胞は腸から来る門脈という血管から酸素の供給を受け、生存し続けるので問題ありません。この治療法は、黄疸・腹水などがなければ施術可能で、多くの患者さんに対して行われています。

 ■治療に要する期間や副作用などについて教えてください。
 1回の治療に要する入院期間は1〜2週間程度です。腹痛、吐き気、食欲不振、発熱などの副作用を伴うことがありますが、数日で治まります。退院後は1〜2週間ほどで社会復帰が可能です。ただし、1回で完治する確率はさほど高くありません。繰り返し行うことで、徐々にがんの消滅を図る治療です。肝細胞がんは慢性肝炎を母地として発生するので、一度治療が完了してもその後新たながんが発生する確率が高く、経過観察が必要です。インターフェロンを併用した治療の研究も進んでいますが、何よりがんを早期に発見し、有効な治療を繰り返し行うことができるかどうかが予後を左右します。詳しくは専門医にご相談ください。



 
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