くまにち メディカルインタビュー
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産科・婦人科最前線 妊娠・育児中のお酒とタバコ

2008/4/26掲載
 
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胎児死亡や乳児突然死のおそれも
 
うしじまクリニック
牛島 英隆氏
産科・婦人科うしじまクリニック院長
医学博士
お酒やタバコは赤ちゃんの成長に悪影響を及ぼします。生まれてくる大切な命のため、旦那様と協力し、妊娠中の飲酒、喫煙はきっぱりやめましょう。

 ■アルコールが胎児に与える影響について教えて下さい。
 お母さんがお酒を飲むと、血中のアルコールがそのまま子宮に送られ、赤ちゃんは酔っぱらいます。お母さんにはアルコールを代謝する酵素がありますが、赤ちゃんにはそれがないため直接アルコールにさらされるのです。そして赤ちゃんの脳細胞がたくさん障害を受けると、「胎児アルコール症候群」になります。

 ■胎児アルコール症候群になるとどうなりますか?
 子宮の中での発育が悪く、皮膚や関節、聴覚、心臓などの異常のほか、近視や斜視などの視力障害、知能発達への影響が見られることもあります。このように妊娠中のアルコール摂取は、たとえ少量でも赤ちゃんの発育には大きな危険となります。

 ■喫煙も問題視されていますね。
 妊娠中の喫煙は周産期死亡、前置胎盤、常位胎盤早期剥離、前期破水などが喫煙量に比例して高くなり、非喫煙の妊婦さんに比べて1・5倍ほど早産しやすいとも言われています。さらに赤ちゃんの発育障害は明らかで、分娩時の体重が平均より200g程度軽いことが報告されています。このような子宮内胎児発育遅延の赤ちゃんは、分娩時に生命の危険まで背負わされてしまうのです。

 ■妊娠中は禁煙すべきなのですね。
 お母さんはもちろん、副流煙の問題も含めてお父さんもこの際、禁煙しましょう。出産後においても、タバコを吸うお母さんの母乳からはニコチンが分泌され、赤ちゃんがニコチン中毒になってしまいます。さらに両親ともタバコを吸う家庭では、乳児突然死症候群の危険性が4・7倍にも跳ね上がることがわかっていますので、禁煙は極めて重要です。



 
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