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歯科最前線 誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)

2008/3/15掲載
 
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医療スタッフが連携し総合的な予防・治療を
 
竜山内科リハビリテーション病院 歯科医
南谷 美和氏
高齢者に多い誤嚥性肺炎。その予防には、歯科による口腔ケアだけでなく、総合的なサポートが大切だと言われています。詳しい話を聞きました。

 ■誤嚥性肺炎を予防するのにどうして口腔ケアが大切なんですか?
 誤嚥性肺炎の原因の一つに、口腔内の細菌が気道を通して肺に入ってしまうというケースがあります。適切な口腔ケアを行うことで、口腔内の細菌を減らし、肺炎のリスクを少なくすることができます。ただし、口腔ケアを行っていても、食べ物を誤嚥することによって肺炎が起こる場合もあるので注意が必要です。

 ■誤嚥を防ぐ方法はありますか?
 通常は嚥下訓練を行います。しかし、重度の場合は胃に直接チューブを入れ流動食を注入し、誤嚥を防止します。ただ、その方法でもすぐ横になると、気道に食べ物が逆流することがあるため、看護スタッフや介護者のサポートが大切。歯科医・歯科衛生士をはじめ、医師、看護スタッフ、言語聴覚士、管理栄養士が協力することで、誤嚥性肺炎の発症をかなり抑えることができます。

 ■一方でクオリティー・オブ・ライフを維持するためには、自分の歯で食べることも大切だと聞きます。
 入れ歯を作ったり、歯周病や虫歯の治療、インプラント治療により咀嚼(そしゃく)機能を維持・回復することが第一。普段の生活でも、舌や口の運動に努め、唾液の分泌を促進し、嚥下に関連する筋肉を鍛えることが必要です。また、病院や施設ではイベント食など食べる喜びを取り戻す楽しみを設けることも大切ですね。咀嚼・嚥下機能の低下は食べる喜びを失うばかりでなく、誤嚥性肺炎の危険もはらんでいます。早期に専門医を受診し、適切な予防・治療を受けることをおすすめします。



 
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