くまにち メディカルインタビュー
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予防医学最前線 進化する健康診査

2007/12/1掲載
 
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早期発見から一歩進んだ健康維持へ
 
済生会熊本病院健診センター 医長
高尾祐治氏
いまや流行語のように言われる「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」。生活習慣病の予備群が急増する中、健康診査のあり方も「異常の発見」から「病気にならないためのケア」へと変わりつつあるそうです。健康診査と予防医学のこれからについて聞きました。

 ■メタボリックという言葉が、あっという間に広まりましたね。
 生活習慣病、特に肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症などが動脈硬化の引き金となり、心筋梗塞(こうそく)や脳卒中を引き起こすことは、早くから警告されてきました。しかし、それらの病気がまだ軽かったり、病気になる前の状態でも、複数の要因が存在すると重大な病気に至ってしまう。すなわち、メタボリックシンドロームの人が爆発的に増えており、この「未病」や「半健康」の人たちへのケアが、今後の重要課題といえます。

 ■病気になる前に手を打つ、というわけですか?
 予防医学の考え方も、病気の早期発見・早期治療の二次予防から、軽い病気状態を正常な状態へ、病気になりそうな状態を健全な状態へ、さらに、病気とは縁のない健康状態の維持を目的とする一次予防の時代になっています。これまで検査で異常を発見することが主流だった健康診査も、今後は「異常をどう改善するか」、さらに「改善した状態をずっと維持するためにいかにフォローするか」が求められます。

 ■健康診査のあり方が変わるのですね。
 従来のマニュアル化された画一的な対応ではなく、同じ病気でも受診者それぞれのライフスタイルや体質に応じたやり方に変えなければいけません。より細やかなオーダーメードの生活処方を、受診者本人と医療機関が一緒に作り上げていく姿勢が必要でしょう。たとえば、健康診査で軽い生活習慣病を指摘された人はメディカルチェックを受けた上で、保健師、健康運動指導士、管理栄養士、医師などとよく話し合って、生活や身体機能、病態などに合った生活改善目標を自ら立ててもらいます。

 ■自ら考えることが大事なのですね。
 長年の生活や考えを変えるのは非常に困難で、自ら気づいて行動を起こさないと長続きしません。医療スタッフの役目は、それを適切に手助けすることです。健康診査は病気の発見が目的ではなく、心身が本来あるべき状態に戻す手助け、後押しをする作業だと思います。その結果、その人の人生が心身共に健全で楽しくなるようトータルサポートすること。これが予防医学のコンセプトだと考えています。



 
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