くまにち メディカルインタビュー
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外科治療最前線 乳がんの検診と手術

2007/11/3掲載
 
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定期検診と自己検診で早期発見を
 
むらたクリニック
村田和哉氏
医学博士
熊本大学医学部卒業
熊本大学医学部大学院博士課程修了
日本外科学会認定外科専門医
東京タワーのライトアップやメジャーリーグのピンクリボン運動への協力…。乳がん早期発見への呼びかけを、よく耳にするようになりました。しかし、検診を受ける人は依然、少ないとか。検診の重要性について聞きました。

 ■最近、乳がんになった有名人が検診を呼びかける例も増えてきましたね。
 確かに、乳がんに対する関心が高まる点では喜ばしいのですが、その割には日本の乳がん検診の受診率は約18%と依然、低いままです。メディアや口コミなどさまざまな情報がある中、間違った解釈がひとり歩きしたり、いまだ古い情報に恐怖感を抱いたりする例も多いんです。

 ■例えば、どんなことですか?
 「自己検診で発見できる」との思い込みは危険です。自分で発見できる段階では、しこりが直径2p近くまで大きくなっていることも多いのです。2p以内は早期乳がんとされてはいますが、検診技術が進歩した今では、早期乳がん発見とは言えないでしょう。自己検診でわかるほど大きくなってしまう前に、各市町村が行っている定期検診(視触診、マンモグラフィー検診)で早期に発見していただきたいですね。

 ■何より、まずは早期発見ですね。
 もちろん、日ごろの自己検診も大切です。閉経前の人は月経が終わってから1週間後、閉経後の人は毎月、日を決めたチェックを習慣にして、何か変化を感じたら早めに専門医へ相談してください。中には、高齢の方で「トシだから関係ない」と言われたりしますが、それも誤解です。乳がんの罹患率が最も高いのは40代後半ですが、50代以降もむしろ増えているのが現状です。

 ■しこりがあれば即手術ですか?
 良性の場合もあるので、早急に専門医でマンモグラフィーや超音波の検査を受けてください。がんと判明すれば手術になりますが、早期発見なら必要最小限の部分切除で乳房温存手術が主流です。傷跡も目立たないよう工夫できます。仮に直径2p以上のがんでも、複数の抗がん剤を半年ほど投与する多剤併用化学療法が効果を上げています。がんを小さくしてから手術するので、こちらも乳房温存手術ができますよ。

 ■手術について教えてください。
 手術は全身麻酔で1〜2時間ほど、入院期間は1週間くらいが目安です。「術後に腕が上がらなくなるのでは」と聞く人もありますが、現在の手術では、たとえ全切除でも筋肉や神経が損傷されることはありません。



 
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