くまにち メディカルインタビュー
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産科・婦人科最前線 妊娠と薬

2006/11/25掲載
 
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妊娠中の痛みや発熱に服用してよい薬はありますか?
 
うしじまクリニック
牛島 英隆氏
産科・婦人科うしじまクリニック院長
医学博士
妊娠したら薬はよくない、と耳にしますが、安心して飲める薬はないのでしょうか。妊婦と薬について聞きました。

 ■妊娠した場合、実際にいつからが妊娠なのでしょうか。
 最終月経の始まった日を妊娠0週0日とカウントしますが、実際は最初の4週間(妊娠0週〜3週6日まで)は妊娠していません。妊娠を疑わなければならないのは、予定の月経が遅れているときです。つまり着床(生物学的に子宮の中に受精卵が根付くこと)するのは、受精後10日目くらいの妊娠4週前後からです。ただ、元々月経不順な方は排卵日が分からないため、もし妊娠していれば性交渉の約2週間後から市販の妊娠反応検査薬が陽性となるはずです。

 ■妊娠と気づかずに飲んだ薬は大丈夫ですか?
 薬剤による胎児奇形の可能性が高いのは、妊娠33日目〜51日目の器官形成期です。赤ちゃんの大切な器官が作られる時期なので、妊娠12週までは慎重になる必要があります。それ以外の期間では、薬剤の服用はあまり問題はないようです。仮に、催奇形性のあると分かっている薬を飲んだとしても、必ず奇形が起こるわけではありません。自然界での奇形発生率は3%であり、それが約2%上昇する程度といわれています。

 ■妊婦が服用できる、安全な抗生剤、解熱・鎮痛剤はありますか?
 妊娠時期に関係なく服用してもかまわない抗生物質は、ペニシリン系とセフェム系、クラリスロマイシン、アジスロマイシンです。解熱・鎮痛剤は、アセトアミノフェンが安全です。湿布薬ではフェルビナクは胎児への影響が少ないようです。その他の痛み止めには湿布剤を含めて、子宮の中の赤ちゃんを死亡させるものがありますので十分注意しましょう。



 
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