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産科・婦人科編

2017/6/23掲載
 
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低体重出生児がメタボ予備軍に? 妊娠中のダイエット・喫煙は控えましょう
 
うしじまクリニック
牛島 英隆氏
産科・婦人科うしじまクリニック院長
医学博士
2500g未満で生まれてきた赤ちゃんを低体重出生児と呼び、近年、「成人後にメタボリック症候群にかかるリスクが高い」という「胎児プログラミング仮説」が提唱されているそうです。専門医に詳しく聞きました。

 ■「胎児プログラミング仮説」とは。
 子宮内で胎児が低栄養状態にさらされると、その環境に適応するため、エネルギーをため込みやすい体質に変化します。そして、低体重で出生した後に栄養状態が改善すると、相対的に栄養が過剰になります。それが続くと、糖尿病や高血圧、高脂血症などにつながるので、メタボリック症候群になる可能性が高い─という仮説です。さらに、心臓病やU型糖尿病、脳卒中、脂質異常、神経発達障害などとの関連性も認められています。

 ■低体重出生児の原因は何ですか。
 子宮内胎児発育不全の原因は以下の通りです。(1)母体因子…若年妊娠、高齢妊娠、母体の低栄養状態、妊娠高血圧症候群、喫煙など。(2)胎盤・臍帯(さいたい)因子…胎盤の位置やサイズの異常など。(3)胎児因子…胎児の染色体異常や先天性感染症。また、早産に伴う低体重出生児も、疾病リスクが高くなります。

 ■赤ちゃんが低体重にならないために、気を付けることはありますか。
 妊娠中のダイエットや喫煙は絶対にやめましょう。バランス良く栄養を取り、風疹などの先天性感染症や早産の予防(歯周病予防、受動喫煙をしない、おりものの増加に注意するなど)に気を配ってください。最近は低体重出生児の割合の増加に歯止めが掛かっていますが、依然として先進国の中では高い傾向にあります。妊娠中の正しい体重管理が、赤ちゃんの将来の健康につながることを覚えておいてください。



 
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