くまにち メディカルインタビュー
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内科編

2017/5/12掲載
 
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早期発見・早期治療が重要になる乳がん 採血1本の検査で発見が容易に
 
グレースメディカルクリニック 院長
伊藤 信久氏
日本人女性に増え続けている乳がん。早期に発見して適切な治療を受けることで、完治する可能性が高いといわれています。しかし、既存の画像検査ではある程度の大きさでなければ発見は難しいそう。早期発見のための検査について話を聞きました。

 ■女性の乳がんが増えているそうですね。
 国立がん研究センターによると、5年前は7万2500人だった女性の乳がん罹患(りかん)数は、2016年は9万人になると予測されています。乳がんは30歳代から増加し始め、40歳代後半〜50歳代前半でピークを迎えます。しかし、閉経後や20歳代で患う人もいるので、誰もがかかる可能性のある身近な病気として認識しておきましょう。

 ■定期検診などを受けていれば早期発見が可能でしょうか。
 乳がんは初期の場合、ほとんど自覚症状がありません。進行とともに、しこりやくぼみ、乳頭からの分泌物などの症状が現れます。国は40歳以上の女性に、2年に1度は乳がん検診を受けるよう推奨しています。しかし、「以前マンモグラフィー検診を受けたら痛かった」「超音波検診は時間がかかる」「男性医師だと恥ずかしい」という声もあり、受診率が伸び悩んでいるのが現状。そこで、セルフチェックや定期検診と併せて、採血による検査をお勧めします。

 ■採血による検査はどのようなものですか。
 採血をして、乳がん細胞から分泌されるバイオマーカー(マイクロRNA)を検出する「ミアテスト」と呼ばれる遺伝子検査です。既存の画像検査では見つけられなかった1p以下の小さな腫瘍でも、発見できる可能性があります。採血をするだけなので痛みは小さく、時間もかかりません。検査後、2〜4週間ほどでがんのリスク判定が報告されます。

 ■判定で結果が良くない場合はどうすればよいですか。
 リスク判定は、がんの進行具合とは無関係です。判定が良くない場合でも、がんが大きかったりステージが進んでいたりするとは限りません。ただ、医師と相談の上、適切な予防対策や精密検査を受けることをお勧めします。「高濃度ビタミンC」の点滴療法は、ビタミンCの抗酸化作用により、がんの原因とされる活性酸素を無毒化します。副作用が少なく、抗がん剤や放射線療法との併用も可能です。

 ■採血でほかの部位のがんも調べられますか。
 「ミアテストプレミアム」では、男性は12種類、女性は13種類のがんを一度の採血で検査できます。がん遺伝子検査で、現状のがんリスクを把握して、生活習慣の改善などで予防することが大切です。詳しくは専門医にお尋ねください。



 
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