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産科・婦人科編

2017/3/17掲載
 
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知っておきたい“母子感染”のリスク 赤ちゃん・母体の健康のため感染症検査を
 
うしじまクリニック
牛島 英隆氏
産科・婦人科うしじまクリニック院長
医学博士
妊婦さんだけでなく、これから妊娠を希望する人も知っておきたい母子感染。リスクや予防方法などについて詳しく聞きました。

 ■母子感染とは。
 細菌やウイルスなどの微生物が、お母さんから赤ちゃんへ感染することを言います。母子感染には、子宮内で感染する「胎内感染」、分娩(ぶんべん)時に産道で感染する「産道感染」、母乳を通して感染する「母乳感染」の3つのルートがあります。双方の健康のため、妊婦健診で感染の有無を調べることが大切です。

 ■検査の内容を教えてください。
 主に6種類の細菌・ウイルスについて調べます。(1)B型・C型肝炎ウイルス…多くの赤ちゃんは感染しても無症状ですが、まれに乳児期に重い肝炎を発症します。B型は将来、肝炎や肝臓がんになる場合もあり、出生後の赤ちゃんにワクチンを接種します。(2)梅毒…赤ちゃんの神経や骨に異常を来すケースがあります。妊娠中に抗生剤で治療することで予防できます。(3)GBS(B群溶血性レンサ球菌)…産道感染です。肺炎や髄膜炎の原因になり、死亡例もあります。分娩時に母体へ抗生剤を投与します。(4)HTLV‐1(ヒトT細胞白血病ウイルス‐1型)…感染した場合、一部の人が成人時に白血病を発症します。母乳感染のため、授乳期間の制限などで予防します。(5)風疹ウイルス…妊婦さんが初めて感染すると、赤ちゃんに聴力・視力障害、先天性心疾患を引き起こすことがあります。(6)ヒト免疫不全ウイルス(HIV)…エイズを発症します。帝王切開での分娩で予防できます。

 ■さらに詳しく知りたいときは。
 かかりつけの産科の主治医や、市町村の母子保健担当窓口、保健所へご相談ください。きちんと調べて、感染リスクを減らしましょう。



 
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