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歯科編

2017/2/24掲載
 
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あごの成長を促す予防的歯科矯正 永久歯が生えそろう前に相談を
 
さくらのもり歯科医院 院長
成瀬 公彦氏
歯並びで悩んでいる人が年々、増えているそうです。小さい子どもを持つ保護者にとって、永久歯へ生え変わる時期の歯並びは気になるもの。そこで、幼児期の歯の矯正や治療法について話を聞きました。

 ■歯並びが悪くなる原因を教えてください。
 歯並びは、あごの大きさや形状と密接な関わりがあります。最近は食生活が変わり、昔に比べて硬いものを食べなくなりました。何度もかんだり、舌をあまり動かしたりしないせいで現代人はあごが小さくなり、歯が並ぶスペースが減ってしまったのです。今では、「肉が硬い」と言って、焼き肉などの肉料理を敬遠する子どもも少なくありません。そのほか、呼吸や姿勢、嚥下(えんげ)、食べ方などの生活習慣も、あごの成長に大きな影響を与えるといわれています。また、普段から口が開いている、あごの下に赤ちゃんのようなゆるみがある、唇が乾燥しているような子どもは、歯並びが悪くなる可能性があります。子どもの乳歯の状態を見て、将来の歯並びや矯正、治療について相談される保護者も増えてきました。歯並びが悪いと、見た目の問題だけでなく、むし歯や歯周病になりやすいので注意が必要です。

 ■幼児期からの矯正が増えてきたと聞きました。
 永久歯が生えそろってからの歯列矯正は負担も多く、時間もかかります。最近では、永久歯が1〜2本生え始めた頃、またはそれより少し前の3〜4歳から取り組む予防的な矯正が増えています。永久歯の歯列矯正とは異なり、いわゆる咬合(こうごう)育成治療で、歯がちゃんと並ぶためのスペースづくりを目指し、あごの骨格の成長を促します。

 ■具体的な治療方法を教えてください。
 あごの骨格矯正は、トレーニングとマウスピースを併用して行います。主にトレーニングが重要ですが、トレーニングの効果を早めるために、マウスピースを使った矯正を併用することをお勧めします。トレーニングは、舌や頬を動かす筋機能トレーニングで、家庭で簡単にできるものです。トレーニングに要する時間は、1日3〜5分ほど。子どもたちが飽きないよう、さまざまなメニューが考えられています。マウスピースを使用するのは、自宅に帰ってからの1時間と夜だけで、外出時や日中は使いません。そのほか、保護者が見逃しがちな食習慣や生活習慣、姿勢の改善もアドバイスしていきます。きれいな歯並びは、正常なあごの成長が必須です。あごの骨は、頬の筋肉と舌の間に並ぶので、両方の筋肉バランスが良くなることで正常に発育します。子どもの歯並びに不安がある人は、専門医に早めにご相談ください。



 
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