くまにち メディカルインタビュー
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皮膚科編

2017/1/27掲載
 
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全身の肌のカサカサから起こる皮脂欠乏症(ひしけつぼうしょう) 暖房器具の使い方や入浴法を見直して
 
まるお皮ふ科 院長
丸尾 圭志氏
日本皮膚科学会皮膚科専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
秋から冬にかけて「肌が乾燥してカサカサする」「粉をふいたように白くなってしまう」と悩んでいらっしゃる人も少なくないようです。それは皮脂欠乏症のサインかもしれません。症状や予防法について聞きました。

 ■皮脂欠乏症とは。
 皮膚表面の脂分が減少して水分が不足し、乾燥が起こる病気です。初めは、肌が粉をふいたように白くなる、角質が剥がれ落ちるなどの症状が見られます。この程度の症状だと、思い当たる人も多いのではないでしょうか。しかし、そのまま乾燥が続くと、皮膚がひび割れ、かゆみが出てきます。そうなると、ついかいてしまい、悪化しやすくなります。さらに進行すると、皮脂欠乏性湿疹になり、赤み(湿疹)が出てひどいかゆみに襲われます。夜中に目が覚めてしまう患者さんもいるほどなんですよ。ひざ下に最も症状が出やすく、太ももや腰回り、背中などにもよく現れます。かゆみが出てきたら、早めに専門医を受診しましょう。内服薬でかゆみを抑えながら、塗り薬などで赤みを治療します。

 ■秋冬に空気が乾燥すること以外に、かかりやすい要因はありますか。
 年配の方は加齢とともに潤いを保つ皮脂や角質細胞間脂質が減っていくので、どうしてもかかりやすくなります。また、生活習慣も大きく関係しています。エアコン・ホットカーペット・こたつなどの暖房器具は、室内の空気を乾燥させるだけでなく、熱によって肌の水分を奪います。さらに、お風呂で熱いお湯に漬かったり、体を強く洗ったりすることも、皮脂を取り過ぎることになります。そのため、毎年同じ時季に同じ場所に症状が出る患者さんも多いんです。

 ■予防法はありますか。
 生活習慣の改善が第一です。まず、室内の加湿を心掛けましょう。加湿器を利用し、適度な湿度を保ってください。暖房の効かせ過ぎにも注意しましょう。そして、入浴時は熱いお湯や長風呂は避けてください。体を洗うときも、綿のタオルや手を使って優しく洗いましょう。入浴後は保湿クリームを塗ってください。肌の水分はどんどん蒸発していくので、時間を空けず、数分内にスキンケアを済ませましょう。さらに、肌着まで気を配ると良いですね。チクチクせず、刺激の少ない綿素材がおすすめです。



 
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