くまにち メディカルインタビュー
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皮膚科編

2016/11/4掲載
 
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治りにくい爪の水虫に有効な塗り薬 きれいに生え替わるまで継続を
 
のぐち皮ふ科院長
野口 博光氏
医学博士。皮膚科専門医。 1990年防衛医大卒。自衛隊熊本病院、熊本大・大学院を経て、のぐち皮ふ科院長。
日本人の多くが悩まされている水虫─。長期間、治療せずに放置していると、白癬(はくせん)菌が足の皮膚から爪の中に侵入し、さらに治りにくい爪白癬になってしまうそうです。爪白癬の治療について聞きました。

 ■爪白癬は、どんな病気ですか?
 爪白癬は爪の水虫のことで、カビの一種である白癬菌が爪の中まで入り込んだものです。湿度が高い日本は水虫の有病率も高く、中にはかゆみなどの症状がないことから、気付かずにいる例もあります。足の水虫を長期間、治療せずに放置していると、白癬菌が爪に侵入し、爪の色が白や黄色に濁る、爪の厚さが増して変形する、爪がもろく崩れやすくなる、などの症状が現れてきます。

 ■市販薬も多く売られていますが。
 誤解されがちですが、市販薬は足白癬、つまり足の皮膚にできた水虫に対しての塗り薬です。爪は皮膚より硬く、塗り薬の効果が内部の白癬菌までは届きにくいため、爪白癬を治すことはほとんど困難です。

 ■治療について教えてください。
 爪白癬の治療薬は約30年前から開発競争が始まり、最近になって爪の中や爪の下の皮膚まで浸透する有効な新薬が2種類、使用可能になりました。今年承認された最新の薬では、爪の混濁率20〜50%の状態に1年間塗布して治癒率28%というデータがあり、人によってはさらに短期間で効果が出ることもあります。

 ■治療中の注意点は。
 塗り薬は1日1回、入浴後に塗布します。爪は生え替わるのに半年から1年かかるため、新しい爪に生え替わるまでは毎日、塗り続けることが大切です。一見、きれいに治ったようでも白癬菌が残っている可能性があり、医師が完治を判断するまで続けてください。足白癬は家族内感染が多く、ご家族も一緒に治療に取り組むと効果的です。

 ■ほかに治療法はありますか。
 より短期間で有効な治療を行うには内服がおすすめです。飲み薬を医師の指示に従って服用すると、3カ月〜6カ月の治療期間で有効率が約85%というデータがあります。副作用は少ないものの、2%程度の割合で肝機能に影響が出ることもあり、血液検査を行います。塗り薬も飲み薬も保険適用ですが、持病や常用している薬などがある場合は、医師とよく相談して治療法を選択されるとよいでしょう。



 
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