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産婦人科編

2016/9/2掲載
 
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女性特有の病気「骨盤臓器脱」 再発の少ないメッシュ手術で症状改善へ
 
慈恵病院産婦人科医師
蓮田 健氏
九州大学医学部卒業
九州大学付属病院、国立病院九州医療センターなどで産婦人科勤務
女性特有の病気「骨盤臓器脱」は、直接命に関わる病気ではないものの「受診するのが恥ずかしい」という理由から、重症化してしまいがちなのだそうです。そこで、治療法について話を聞きました。

 ■「骨盤臓器脱」とは、どのような病気ですか。
 「骨盤臓器脱」は骨盤の中にある臓器、つまり子宮・膣・膀胱(ぼうこう)・腸などが下がってくる病気です。以前は「子宮脱」「膣脱」「膀胱脱」などと呼ばれていました。この病気は、実はあまり知られていません。性器の病気ということもあり、他人に相談しづらいことが影響しているようです。そのため、誰にも相談できず一人で抱え込んでいる女性も少なくありません。「年だから仕方ない」「我慢するしかない」と思い込んでいる方も多くいらっしゃいます。しかし実際には、女性にとって珍しくない病気で、「温泉や銭湯で同じ症状の人を見かけた」という患者さんもいらっしゃいます。当院で以前、5000人以上の女性を対象にアンケート調査を行ったところ、60歳以上の5〜6%が「骨盤臓器脱」の症状を持っていることが分かりました。また、60歳以上に限らず、おなかに力がかかる作業をする人や、肥満・便秘がちな人、呼吸器疾患により慢性的に咳をする人なども生じやすいといわれています。

 ■治療法を教えてください。
 「骨盤臓器脱」の治療法については、昔からさまざまな手術が提案されてきました。その中でも現在、日本で最も浸透しているのが「子宮全摘手術」と「膣壁(ちつへき)形成術」を組み合わせた治療法です。この手術では、子宮を全部摘出した上で、膣を縫い縮めます。多くの場合、この手術で治るのですが、一部の方は再発してしまいます。

 ■再発を少しでも防げる治療法はあるのでしょうか。
 「メッシュ手術」という治療法があります。「骨盤臓器脱」の症状として、子宮や膣の周りの筋肉が弱くなることが挙げられます。それを補強してくれるのが、メッシュと呼ばれる網状の素材です。膣の裏に挿入することで、子宮や膣が下がってこなくなります。この治療法は2004年にフランスで開発され、日本でも05年に導入されました。従来の手術に比べ再発しにくいことから、注目を集めています。もちろん、この他にもさまざまな治療法があります。症状を軽減・除去する効果は共通しているので、患者さんの症状の進行度や体調などに合った手術法を選択することが望ましいでしょう。「骨盤臓器脱」は治療によって改善し、不快感を取り除くことができます。症状でお悩みの方は一人で抱え込んだり諦めたりせず、早めに産婦人科を受診し、担当の医師と治療法について相談されることをおすすめします。



 
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