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産科・婦人科編

2016/8/19掲載
 
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子宮頸がん=性感染症とする誤解 因果関係を正しく理解し、治療に専念を
 
うしじまクリニック
牛島 英隆氏
産科・婦人科うしじまクリニック院長
医学博士
子宮頸がんの原因は、皮膚や生殖器にイボを作るヒトパピローマウイルス(HPV)です。HPVには多くの種類があり、感染自体は珍しくありません。HPV感染と子宮頸がんの関係について、詳しく聞きました。

 ■HPVと子宮頸がんの関係は。
 セックス経験のあるほとんどの人が、生涯に一度はHPVに感染するとされています。感染しても自覚症状はなく、多くの場合は自己免疫力で排除されてしまいます。子宮頸がんがセックスで感染するわけではないので、子宮頸がんは性感染症ではありません。

 ■HPVへの感染がすなわち、子宮頸がんではないのですね。
 セックス・パートナーが多いと確かに、それだけ多くの型のHPVに感染しやすく、免疫力だけではうまく排除できないHPVに遭遇する確率も上がります。逆に、ただ一度のセックスで発がん性の高いHPVに感染することもあり得ます。自分は一人の相手としか性交渉していなくても、その相手が多数と関係を持っていれば、発がん性のHPVに感染する可能性は高くなります。ここで大切なのは、HPVの感染が誰の責任か、いつどうして感染したのかなどを詮索するのは、何の意味もないということです。子宮頸がんは、女性であれば誰でも発症する可能性がある病気です。しかし、子宮頸がんを発症したことをパートナーに批判され、深く傷つけられるケースが後を絶ちません。また、感染原因を相手の男性にあると思い、不信感を抱くこともあります。がんと向き合うだけでも大変なときに、自分に責任を感じたり、相手に不信感を持つことはつらい状況といえます。パートナーと一緒に主治医から子宮頸がんの正しい説明を受け、支え合いながら治療に専念しましょう。



 
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