くまにち メディカルインタビュー
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内科・外科編

2015/12/30掲載
 
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がんなどの痛み緩和が望める「ラドン温湿浴」は体質改善や認知症予防にも有効
 
医療法人社団順幸会 阿蘇立野病院 院長
上村 晋一氏
日本医療・環境オゾン研究会理事
日本外科学会認定外科専門医
がんなどの痛みの抑制効果があるといわれる、低線量放射線を活用した「ラドン温湿浴」。がんの3大療法「手術療法」「化学療法」「放射線療法」と併用もできるそうです。「ラドン温湿浴」の具体的な治療法と効果などについて専門医に聞きました。

 ■「ラドン」とは何でしょうか。
 ラドンは無味無臭、無色の気体で、空気中にも含まれています。ラドンからは長期的に浴びても人体に害のない程度の低線量放射線が出ており、痛風予防や血圧降下、循環器障害の緩和のほか、DNA修復作用、がんの成長抑制などの効能があるといわれています。1950年代、オーストリアではラドンを用いた治療法の研究が進められてきました。日本には鳥取県や秋田県をはじめ、「ラドン温泉」として知られる温泉地が数カ所あり、中には療養泉として患者さんを受け入れているところもあるそうです。

 ■「ラドン温湿浴」について教えてください。
 「ラドン温湿浴」は、ラドンが放つ低線量放射線を利用した保険適用外の自由診療です。現在のがん治療では「手術療法」「化学療法」「放射線療法」が行われていますが、これらの治療以外に、緩和療法を勧められた人が受ける場合が多いようです。そのほか、ラドンのさまざまな効能を期待して、体質改善や認知症予防などを目的に利用されるケースもあります。

 ■具体的な治療法は。
 ラドンを含む水を100ccほど飲用し、シャワーで体の汚れを流した後、ラドン温湿浴ルームに入り、約40分間、横になったり、ラドン水を飲用したりして過ごします。室内には、ラドンから放射される低線量放射線と水蒸気が漂っています。温湿浴だけでなく、呼吸によって水蒸気と一緒に体内に取り込むことで、体の活性化効果などが得られる仕組みです。室温は38℃、湿度は70%ほどで、岩盤浴のイメージに近いといえるでしょう。次第に血流が良くなり、交感神経よりも副交感神経が優位になることで、リラックス効果も望めます。

 ■治療を受ける際の注意点はありますか。
 体がだるい、気分が優れないなどの反応が出る場合もありますが、これらは一時的なものなので、ほとんどの場合、心配はありません。また、妊娠中などで、治療を受けられない場合がありますので、治療前に必ずカウンセリングが行われます。一度で症状が改善することは難しく、様子を見ながら継続していくことが大切です。詳しくは専門医にお問い合わせください。



 
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