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産科・婦人科編

2015/9/18掲載
 
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胎児を危険にさらす妊娠中の喫煙 将来にわたって影響を与える恐れも
 
うしじまクリニック
牛島 英隆氏
産科・婦人科うしじまクリニック院長
医学博士
環境省の調べで、20代の妊婦の喫煙率は5〜10%、そのパートナーは49〜63%と、他の年代よりも高いことが分かっています。妊娠中の喫煙・受動喫煙が胎児に及ぼす影響について、専門医に詳しく聞きました。

 ■妊娠中の喫煙による、赤ちゃんへの影響を教えてください。
 妊婦の喫煙は胎盤を通じて、胎児の発育不全、早産、流産、口唇・口蓋などの奇形、各臓器の重量・機能低下のほか、乳児突発死症候群(SIDS)を招く可能性も高めます。また、思春期においては注意欠陥多動性障害(ADHD)、成人してからは発達障害やぜんそく、動脈硬化、高血圧、肥満、2型糖尿病などを引き起こすことが報告されています。特に、乳児突発死症候群、注意欠陥多動性障害、肥満、ぜんそくにかかるリスクが高いようです。発生頻度については母体の喫煙量と関係し、妊娠初期に禁煙をすると、多くの場合、頻度が低下するか、発症を防げます。

 ■因果関係は分かっているのでしょうか。
 胎児期にたばこの煙を含む環境汚染物質にさらされることによってDNAが変化し、染色体の構造異常を引き起こすといわれています。これにより、胎児の各臓器、免疫系、神経系の発生と機能、さらに思春期以降の心身の健康、成人期の生活習慣病の発生にまで影響を及ぼすと考えられています。

 ■出産後の喫煙については。
 妊娠中は60〜80%の妊婦が禁煙するものの、そのうち約80%が出産後に喫煙を再開しているようです。しかし、乳児への受動喫煙による影響も忘れてはいけません。妊婦だけでなく、パートナーや同居している家族も、できる限り妊娠早期からの禁煙を心掛けましょう。



 
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