くまにち メディカルインタビュー
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皮膚科編

2015/1/9掲載
 
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じんましん治療は眠くなりにくい飲み薬で慢性の症状もコントロールが可能に
 
のぐち皮ふ科院長
野口 博光氏
医学博士。皮膚科専門医。 1990年防衛医大卒。自衛隊熊本病院、熊本大・大学院を経て、のぐち皮ふ科院長。
赤くてかゆいブツブツが突然、現れるじんましん。最近では眠くなりにくい薬が登場し、慢性的に悩まされている場合でも症状をコントロールできるようになってきたそうです。じんましんの治療について聞きました。

 ■じんましんは、ごく日常的に見聞きする印象がありますが…。
 じんましんの原因はさまざまで、起こしやすい刺激として(1)特定の食べ物や香辛料、防腐剤、人工色素、サリチル酸など食品に含まれるもの(2)抗生物質、解熱鎮痛剤、降圧剤などの薬剤(3)皮膚のこすれ、寒冷、温熱、日光、圧迫などの物理的刺激(4)入浴、運動、緊張などによる発汗(5)その他の刺激─が挙げられます。しかし、じんましんの70%以上は原因が明らかではありません。

 ■検査では分からないのですか?
 魚介類や虫刺されなどによるアレルギー性のじんましん以外では、検査はさほど有効とはいえません。ただ、原因は特定できなくても、症状が出るメカニズムは分かってきています。じんましんの多くは、皮膚の肥満細胞に蓄えられているヒスタミンが関係しています。この物質が何らかの刺激を受けて放出されると血管や神経に作用して、かゆみや皮膚の赤い膨疹(盛り上がったブツブツ)などの症状を引き起こします。よって、治療はヒスタミンの働きを抑えることがポイントです。

 ■治療について教えてください。
 じんましんの元になるヒスタミンを抑える抗ヒスタミン薬や抗ヒスタミン作用のある抗アレルギー薬を処方します。最近は眠くなりにくい新しい抗アレルギー薬が登場し、原因が不明な慢性じんましんも症状のコントロールが可能になってきました。

 ■服用上の注意点はありますか?
 抗ヒスタミン薬の効果には個人差があるので、医師の診察を受けて自分に合った薬を処方してもらってください。症状が消えても一定期間、服用を続けることが重要で、自己判断で薬をやめないようにしましょう。急性なら数日から1週間ほど、慢性でも1〜2カ月程度の服用で不快な症状が改善され、日常生活の質を向上させられます。

 ■普段の生活では、どんなことに気を付けたらよいでしょうか?
 食べ物や特定の刺激など原因が明らかな場合は、その刺激を避け、かゆみが強くなるアルコールも控えめにしてください。体が温まるとかゆみが悪化しがちなので、お風呂はぬるめにします。下着はきついゴムの入ったものを避け、綿素材など肌への刺激が少ないものを選びましょう。風邪などの感染症にも注意し、心配事やストレスはためずにリラックスを心掛け、規則正しい生活に努めてください。



 
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