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産科・婦人科編

2014/12/26掲載
 
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子宮頸(けい)がんワクチンの接種 リスクだけを取り上げず正しく判断を
 
うしじまクリニック
牛島 英隆氏
産科・婦人科うしじまクリニック院長
医学博士
ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって発症する「子宮頸がん」。予防には子宮頸がんワクチンの接種が最も有効とされますが、その副反応が大きく報道されたことで、接種をためらう方も多いそうです。

 ■厚生労働省がワクチン接種の推奨を取りやめたそうですね。
 WHO、日本産婦人科学会など多くの団体がこの行政判断に疑問を呈し、子宮頸がんワクチンの重要性について改めて主張しています。

 ■海外の多くの国で、子宮頸がんワクチンが使用されているとか。
 オーストラリアでは、ワクチンの集団接種による効果が現れつつあり、子宮頸がんの発症が減少傾向にあるといいます。先日、オーストラリア、イギリスで接種されているワクチンが、日本とまったく同一であるという報告がありました。また、免疫反応を高めるためにワクチンに添加される「アジュバンド」も、日本独自のものではないそうです。ワクチンの副反応や有害事象の種類、頻度に関しても、日本と諸外国で起こっているものとは同じであるようです。日本だけで特別な副反応が起きているわけではないのです。

 ■それでは、日本とほかの先進国では何が違うのでしょうか。
 日本では、子宮頸がんワクチンの効果よりも副反応や有害事象のほうが、マスコミでセンセーショナルに取り上げられました。このまま日本で、ワクチンの接種が積極的に行われなければ、将来的に子宮頸がんの患者数増加が予想されます。子宮頸がんの手術がとても高度な技術を要する点から考えても、ワクチン接種の重要性は否定できません。どんなワクチンにも必ずメリット、デメリットがありますので、一部の情報に惑わされることなく、子宮頸がんの予防に留意してください。



 
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