くまにち メディカルインタビュー
   HOME > 皮膚科 インタビュー一覧> 皮膚科 最前線
 
皮膚科編

2014/12/5掲載
 
MENU
美容整形
美容皮膚
ダイエット
内科
心療内科
歯科
皮膚科
婦人科
肛門科
がん治療科
小児科
眼科
整形外科
耳鼻咽喉科
神経内科
泌尿器科
放射線科
循環器内科
医療福祉
消化器外科
形成外科
味覚障害
免疫治療
血管外科
精神科
紫外線の蓄積が引き起こす日光角化症 放置せず初期の段階で治療を
 
のぐち皮ふ科院長
野口 博光氏
医学博士。皮膚科専門医。 1990年防衛医大卒。自衛隊熊本病院、熊本大・大学院を経て、のぐち皮ふ科院長。
加齢とともに、肌のトラブルに強く影響を与える紫外線。「もう年だから…」と見過ごしているシミやイボが、日光角化症という早期のがんである可能性があります。日光角化症の治療について聞きました。

 ■日光角化症とは、どんな病気ですか。
 長年にわたり、紫外線を浴び続けてきたことで発症する皮膚疾患です。日光の影響を受けやすい顔面や頭部、手の甲などに発生しやすく、屋外で行う仕事やスポーツ、趣味などで紫外線のダメージが蓄積された高齢者に多く認められます。

 ■一見、シミやイボに似ているようですが…。
 患部の大きさは1〜2センチ程度が多く、表面がカサカサして赤くなり、角質やかさぶたなどができたりします。しかし、一般の方が見た目で判断するのは難しく、危険でもあります。日光角化症は表皮にとどまっている、ごく早期の皮膚がんです。そのレベルでは転移の心配はありませんが、治療せずに放置しておくと、場合によっては次第に隆起し、浸潤性の有棘(ゆうきょく)細胞がんになる可能性があるからです。

 ■治療について教えてください。
 クリームや軟膏(なんこう)などの塗り薬による治療と、外科的治療の2つに分けられます。最近は効果的な新薬が出ており、医師の指導の下に薬の塗布と休止を交互に繰り返す治療を行い、約8週間で改善する症例も多く見られます。ただ、治療期間中に患部やその周辺に赤み(紅斑)やかさぶた(痂皮)、むくみ(浮腫)などの副作用が現れることがあり、特に女性や仕事などで人と会う機会が多い男性は、気にされるようです。

 ■外科的治療はどうなりますか。
 局所麻酔で、患部の周辺をやや広めに切除します。所要時間は20分ほどで、切除した一部は組織検査に出します。次の受診時に抜糸を行い、検査結果を見て、患部の周囲に取り残しがないかを確認します。日光角化症は、ほとんどの場合、痛みやかゆみなどの自覚症状がありません。高齢者は自分では見過ごしがちなため、家族や周囲の方が日ごろから、注意して見てあげるとよいでしょう。判断に迷う皮膚疾患があったら、早めに皮膚科までご相談ください。



 
無断転載は禁じます。
掲載の記事、写真等の著作権は熊本日日新聞社または、各情報提供者にあります。
Copyright Kumamoto Nichinichi Shimbun
  (c) 熊本日日新聞社 〒860-8506 熊本市中央区世安1-5-1
くまにち.com トップページへ