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産婦人科編

2014/12/5掲載
 
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受精障害を防ぐ 「レスキューイクシー」 体外受精をより有効なものに !
 
ソフィアレディースクリニック水道町
岩政 仁氏
熊本大学医学部大学院博士課程卒
日本産科婦人科学会専門医
日本生殖医学会生殖医療指導医
日々進歩している不妊治療。その中で、レスキューイクシー(ICSI)という治療法が注目されています。専門医に詳細を聞きました。

 ■体外受精を行っても、受精卵が得られないこともあるそうですね。
 はい。体外受精は、それ以外の不妊治療では妊娠が希望できない場合に行い、卵を取り出し(採卵)、精子をふりかけ(媒精)、得られた受精卵を子宮に戻すという治療法になります。残念ながら体外受精では約10%に、受精卵が得られないという周期が認められています。これは体外受精としては失敗で、患者さんのショックも大きいものです。

 ■受精障害を防ぐことはできるのでしょうか?
 現在、受精障害の治療は顕微授精(ICSI・イクシー)という、細い針で直接卵に精子を注入する方法しかありません。採卵した卵の寿命は12時間なので、通常行われている媒精後18時間での受精確認で「未受精」と判断された場合は、もはや顕微授精で卵を救う(レスキューする)ことはできません。そこで注目を集めているのが、媒精後4〜6時間で確認される第2極体放出の有無で受精障害を診断し、顕微授精を行う方法です。これを「レスキューイクシー」といいます。未受精の卵に顕微授精を行うことで受精障害を防ぎ、妊娠も可能になります。未受精の診断は難しいとされていますが、ポロスコープなどの機械の導入で、より正確な診断が可能になりました。取れた卵を有効に用い、受精障害の周期を減らせることから、導入する施設も増えているようです。特に、初めて体外受精を受けられる人には、受精能力を確認するために試みてよい方法だと思います。詳しくは専門医にお尋ねください。



 
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