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産科・婦人科編

2014/4/25掲載
 
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アスリートを悩ませる月経異常と疲労骨折 ピルによる体調管理で好成績を
 
うしじまクリニック
牛島 英隆氏
産科・婦人科うしじまクリニック院長
医学博士
近年、ますます活躍が期待される女性アスリートたち。しかし、プロの選手や指導者でさえ、月経などに対する正しい知識を持っている人は少ないようです。産婦人科医に詳しく聞きました。

 ■女性アスリートと月経の関係について教えてください。
 。 牛島 激しいトレーニングを常に続けている国内の女性トップアスリートの約40%が無月経、または月経周期の異常を抱えていることが、国立スポーツ科学センターの調査でわかりました。女性ホルモンの減少は不妊症のほか、骨密度の低下にもつながることから骨粗しょう症になり、疲労骨折の原因となります。選手生命だけでなく、一生の健康にも関わる問題なのです。とはいえ、スポーツドクターから適切な指導を受けている選手は少ないのが現状です。

 ■無月経の原因は?
 運動量に見合う食事をとらないことが、無月経や初経の遅れの原因とされます。無月経の治療には「ホルモン補充療法」が一般的ですが、体重が増えることを恐れて、現役引退後に治療を考え始める選手も少なくありません。また、ピルへの理解不足も影響しているようです。

 ■ピルが効果的なのですか。
 競技にも支障をきたす月経困難症や、月経前に体調が悪くなったり、イライラや鬱(うつ)状態を引き起こす「PMS(月経前症候群)」には低用量ピルが効果的で、月経の周期をずらすことも可能です。国内で使われている低用量ピルは、世界ドーピング禁止機構が定めるドーピング禁止物質には該当していません(2014年3月現在)。スポーツを続ける上で、正しい医学的な情報は不可欠です。学生を含めたすべての女性アスリートが、産婦人科に一度相談されることをおすすめします。



 
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