くまにち メディカルインタビュー
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婦人科編

2014/1/17掲載
 
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過多月経の治療に有効な「MEA」 比較的低い費用で治療可能
 
慈恵病院産婦人科医師
蓮田 健氏
九州大学医学部卒業
九州大学付属病院、国立病院九州医療センターなどで産婦人科勤務
月経周期や期間に比べ、個人差が大きい出血量。出血量が多いか少ないか、自分で判断するのは難しいため、診察を後回しにしている女性は少なくないそうです。そこで「過多月経」について話を聞きました。

 ■「過多月経」とは?
 「過多月経」は、月経の出血量が多くなる現象です。出血量の正常範囲は50〜150gといわれています。実際に量ることは難しいのですが、目安としては、生理用のナプキンが1時間持たない、手のひら大の大きさのレバー状の塊が出る、量の多い出血が8日以上続く―などの場合は、過多月経の可能性が高いといえます。出血量が多くなれば貧血になり、立ちくらみや動悸(どうき)などの症状が生じます。また、出血が多いと血液がパッドや下着から漏れ出てくることすらあり、その結果、仕事、買い物、旅行などに支障が出てきます。

 ■治療法を教えてください。
 ピル(経口避妊薬)などのホルモン剤服用や、子宮摘出などの方法が従来行われてきました。過多月経は、子宮に特別な異常がなく起こる場合もありますが、主として子宮筋腫や子宮内膜症、子宮内膜ポリープなどが原因で起こります。その場合には、これらを摘出することもあります。手術を行う場合は、通常1週間以上の入院が必要となりますが、最新の治療法では、数日で退院できるものもあります。

 ■最新の治療法とは?
 「MEA(マイクロ波子宮内膜アブレーション)」と呼ばれる治療法です。これは、膣から子宮の中に細い管状の治療機器を挿入し、機器の先端からマイクロ波を照射して子宮内にある内膜を焼く方法です。このマイクロ波は電子レンジで用いられるものと同じ種類の電磁波です。電子レンジで冷凍した肉を解凍しすぎると白っぽくふやけてしまいますが、MEAを行うと子宮内部が同じように白っぽくふやけます。月経は、子宮内膜が妊娠に備えて周期的に増殖し、妊娠に至らなかった際にはがれて生じる出血です。その子宮内膜を壊死させることによって、出血量を減らすのです。この手術を受けた方の大半が、治療前に比べて出血が少なくなったとおっしゃいます。出血量が多い方でも、治療前の3割ほどで済んでいるそうですし、月経自体がなくなった方もいらっしゃいます。

 ■利点、難点を教えてください。
 子宮全摘の手術に比べて費用は安く、1泊2日の入院治療で済みます。また、術中・術後のトラブルが、従来に比べて少ない点においても、優れているのではないでしょうか。妊娠を希望している方には行えないのが難点ですが、過多月経でお困りの女性には良い治療法といえるでしょう。



 
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