くまにち メディカルインタビュー
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産婦人科編

2013/9/27掲載
 
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流産の症状が出にくい枯死卵(こしらん) 次の妊娠のために適切な処置を
 
うしじまクリニック
牛島 英隆氏
産科・婦人科うしじまクリニック院長
医学博士
市販の妊娠検査薬で陽性反応が出て、出血もなく、つわりもある…。一見、正常な妊娠をしているようでも、病院で超音波検査を受けると「枯死卵」と診断されるケースがあるそうです。専門医に詳しく聞きました。

 ■正常な妊娠かどうかは、どのようにして分かるのですか。
 妊娠反応検査は、胎盤のもととなる「絨毛(じゅうもう)」という組織が産生する、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)というホルモンの有無を調べる検査です。市販の妊娠検査薬でも尿中のhCGを測定するのですが、反応が陽性だからといって、正常妊娠かどうかの目安にはなりません。産婦人科で超音波検査を受け、子宮の中の正常妊娠かどうかを診断してもらう必要があります。なぜなら、流産しかけていたり、子宮外妊娠や、胞状奇胎という悪性疾患であっても陽性になるからです。

 ■流産の症状が全くない場合でも、注意した方がよいのでしょうか。
 超音波検査を受け、子宮内に胎嚢(たいのう)と呼ばれる袋が確認でき、さらにこの胎嚢の中に卵黄嚢(らんおうのう)という胎児へ栄養を供給する袋が認められれば、子宮内妊娠は間違いありません。けれども、胎嚢はあるのに卵黄嚢が認められなかったり、胎嚢の直径が27o以上あり、卵黄嚢も認められるのに、胎児が確認できないケースもあり、これを流産の一つである「枯死卵」と呼びます。出血などの流産症状などがなく、つわりもあり、妊娠反応が陽性でも、うまくいっていない妊娠も起こりうるのです。この場合、流産手術が必要となります。しかし、妊娠したことがある子宮は、次回妊娠しやすいので、妊娠をあきらめる必要はありません。次の妊娠のためのアドバイスを、医師から受けましょう。



 
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