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産科・婦人科編

2013/7/26掲載
 
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感染に気付きにくい「淋病」に注意を 母体や新生児への影響も心配
 
うしじまクリニック
牛島 英隆氏
産科・婦人科うしじまクリニック院長
医学博士
淋菌に感染することで起こる「淋病」。ここ数年、多くの先進国で淋菌感染者が増加傾向にあり、WHO(世界保健機関)の発表によると、世界中での淋菌感染症の年間発症者は約1億600万人に及ぶそうです。

 ■淋病の感染経路と症状について教えてください。
 淋菌は、性行為や出産時に淋病感染粘膜と直接接触することによって感染します。症状は、菌の侵入口付近に、局所的に現れる場合が多く、感染しても無症状のまま経過していることも珍しくありません。特に女性の淋菌感染症は自覚症状が少なく、症状があっても、おりものの増加や尿の出が悪いなど、淋菌感染症特有の症状とは言えません。

 ■感染を放っておくとどうなりますか。
 感染に気付かなかったり、放置することによって、子宮の中や卵管、卵巣にまで感染が拡大し、骨盤内炎症性疾患が生じます。これが過多月経や不正出血、さらに異所性妊娠(子宮外妊娠)や不妊の原因になる卵管炎を引き起こします。

 ■男性へ感染した場合は?
 男性患者は尿道から多量のおりものが出て、排尿障害になることが多いです。しかし症状が出るのは25%程度で、10%は無症状といわれています。まれに直腸や咽頭、さらに眼に感染することもあり、局所感染患者の約3%が全身の淋菌感染症を発症しています。

 ■妊婦への影響はありますか。
 妊婦が淋菌に感染すると、早産や流産のリスクが高くなります。そのため、初回の妊婦健診時に必ず感染検査を受けることが大切です。よりリスクが高い妊婦には、分娩の直前(妊娠38〜39週)にも、赤ちゃんへの感染予防のために、再検査をすすめています。



 
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