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神経内科編

2013/7/5掲載
 
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破裂すると命に関わる脳動脈瘤 定期的なMRA検査で早期発見、治療を
 
西村内科脳神経外科病院 医師
M武 諭氏
30歳以上の約4〜6%の人が罹患(りかん)しているといわれる脳動脈瘤(りゅう)。特徴的な症状や原因、検査方法について聞きました。

 ■脳動脈瘤の特徴的な症状は。
 脳動脈瘤とは、脳の動脈の一部が膨れて瘤(こぶ)のようになった状態を言います。これは生まれつきあるものではなく、加齢とともに脳の血管壁の弱い部分が徐々に膨れてくるものです。脳動脈瘤は破裂すると、くも膜下出血を起こし、いきなりバットで殴られたような激しい頭痛と吐き気に襲われます。約半数の患者さんが死亡、または昏睡(こんすい)状態に陥るといわれています。たとえ治療が成功しても、重い後遺症を残すこともあり、元の仕事に復帰できるのは、全体の40%以下とされています。

 ■手のしびれや言葉のもつれなど、前兆はないのですか。
 脳動脈瘤の多くは、破裂するまで何の症状もないのが特徴です。未破裂の状態で見つけるには定期的な検査を受けるしかありません。破裂を起こしやすい因子として、高血圧や喫煙などが挙げられるため、血圧の管理、禁煙などが予防に必要といえます。また、脳動脈瘤と診断された人と血縁関係(親子、祖父母、孫、兄弟姉妹、いとこなど)にある方に、多く見つかるというデータも出ています。家族に脳動脈瘤と診断された方やくも膜下出血になった方がいる場合、40歳になられたら一度検査されることをお勧めします。

 ■検査方法にはどのようなものがありますか。
 最も安心して受けられるのは、MRI(磁力を用いた断層撮影)装置を用いて脳血管を映し出す方法で、MRA(磁気共鳴血管造影)と呼ばれています。検査にかかる時間は約30分。注射などの痛みも無く、寝ているだけで終了します。脳動脈瘤が疑われた場合には、CTスキャンを用いて造影剤を注射しながら三次元CT血管撮影(3D‐CTA)を行い、その有無や状態をはっきりさせます。脳動脈瘤が確定し、治療することが決まれば、適切な治療法を決めるために、脳血管撮影を行うこともあります。MRI装置の進歩により、今ではわずか1oほどの小さな脳動脈瘤も検出できるようになりました。定期的な検査で、脳動脈瘤の早期発見、早期治療を心掛けていきましょう。



 
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