くまにち メディカルインタビュー
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予防医学編

2013/3/1掲載
 
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女性特有の病気に絞ったレディースドック 専用フロアや女性スタッフ対応で受診しやすく
 
済生会熊本病院予防医療センター 副部長
田中 信幸氏
定期健診や人間ドックで提示されるさまざまな検査メニュー。「もっと、女性向けの検査があれば…」と感じたことはありませんか? 女性の病気に的を絞り、検査にも配慮したレディースドックについて聞きました。

 ■レディースドックと一般的な人間ドックは、どう違うのですか?
 一般に、人間ドックは生活習慣病の予防や早期発見が主で、検査メニューも、どちらかといえば中高年の男性を想定したものが中心といえます。女性の場合、それらの基本メニューにオプションとして婦人科検診や乳がん検診を追加する必要があります。しかし、女性には男性とは異なる女性特有の疾患があり、よりきめ細やかな検査が望まれます。

 ■男性と女性の病気の違いには、どんな特徴がありますか?
 がんを例に挙げると、20歳代の女性では(1)子宮(2)卵巣(3)甲状腺の順でがんが発生しています。30歳代では(1)子宮(2)乳房(3)卵巣となり、さらに50歳代になると(1)乳房(2)子宮(3)結腸と、年齢に伴い変化していきます。これに対し、男性は広い世代にわたって、おおむね胃、肺、肝臓などのがんが常に上位を占めており、女性と男性では顕著な違いが認められます。

 ■がんは中高年に多い病気という印象がありますが…。
 確かにそう思われがちですが、例えば子宮がんの発生は若年化している傾向があります。1978年の国内のデータでは子宮がんは中年以降に多いのですが、98年になると発生のピークが30歳代前半に移り、20〜30歳代の若い女性では子宮頸がんが急増しています。日本は先進国の中でも子宮頸がんの検診率が特に低いのですが、がんは自覚症状があって発見された場合に比べ、健診などで早期に発見されたほうが明らかに5年生存率が高くなっています。

 ■がん以外にも注意が必要な女性の病気があるそうですが。
 子宮筋腫や子宮内膜症、月経不順、不妊症、更年期障害、骨粗鬆症、尿失禁など、さまざまな疾患があります。もし病気が見つかった場合も、決して画一的な治療ではなく、病気が発生している場所や症状の違いに加え、未婚・既婚、妊娠・出産に関する希望、閉経前・閉経後など、一人一人の年齢やライフスタイルに応じた治療計画が求められます。

 ■若年世代の場合、仕事や家事、育児などで忙しかったりしますが…。
 単に検査項目が多いだけでは、受診される方に時間や費用面で負担を与えてしまいます。レディースドックでは、女性に特に必要な検査項目に絞って夕方から効率的な検査を行ったり、検査スタッフを全員女性にしたり、男性と別の専用フロアを設けるなどの配慮も必要です。詳しくは医療機関までご相談ください。



 
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