くまにち メディカルインタビュー
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整形外科編

2013/3/1掲載
 
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加齢とともに増える腰や足の痛み 生活に支障が出る前に医師に相談を
 
成尾整形外科病院院長
成尾政一郎氏
医学博士
中高年になると、増える腰や足の痛み。「年だから仕方がない」と放っておくと、症状が悪化して日常生活に支障が出たり、歩けなくなったりするそうです。足腰の痛みとその原因、治療法について尋ねました。

 ■加齢とともに足腰が痛くなる人が増えるそうですが。
 整形外科を受診する中高年や高齢者の患者さんで、腰痛や足痛に悩んでいる方は多いですね。特に最近は高齢化に伴い、腰部脊柱管狭窄(ようぶせきちゅうかんきょうさく)症などが増えています。この病気は加齢による脊椎(せきつい)骨の変形で、腰部の神経の通り道である脊柱管が狭くなり、その中を通る神経が圧迫されることが原因で起きます。主な症状は腰や足の痛み、しびれなどです。

 ■初期症状を教えてください。
 立ってすぐや歩き始めは何ともないのに、しばらく歩いていると足腰がだんだん痛くなったり、しびれたりします。座って休むと症状が治まり、また歩けるようになるという間歇性跛行(かんけつせいはこう)が主な特徴。そういう症状が見られたら、早めに医師に相談されることをお勧めします。

 ■具体的な治療方法は?
 まず、診察と検査で症状の原因である病気を正確に診断することが大切です。治療は症状・病態に応じ、投薬や注射をはじめとした薬物療法、運動療法、装置療法、物理療法などを用います。それと同時に、家でできる簡単な運動やストレッチ、生活上の注意点も指導します。また、つえやシルバーカーも腰や膝の負担を和らげ、症状を軽減させます。しかし、これらの治療でも症状が改善せず、日常生活に支障がある場合は、患者さんと相談の上、手術を検討します。

 ■手術について教えてください。
 腰部脊柱管狭窄症では、脊柱管を広げて神経の圧迫を取り除く椎弓切除術や椎弓形成術を行います。最近では、顕微鏡や内視鏡などを用いた侵襲の少ない手術も行われており、個人差はありますが、手術の翌日から数日の間で歩けるようになる方が多いですね。腰椎の不安定性の高い症例で行う脊髄固定手術でも、手術用コンピューター・ナビゲーション・システムにより、手術の精度、安全性が上がってきました。また、症状によって適用は限られますが、間歇性跛行のみの場合、神経を圧迫する部分の骨と骨の間に脊椎用インプラントを設置し、間接的に圧迫を減らす手術も可能。この手術は骨を削ったり、神経を直接触ったりすることがないため、従来の外科的治療に比べてリスクが軽減され、局所麻酔での手術も可能です。



 
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