くまにち メディカルインタビュー
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眼科編

2012/11/30掲載
 
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目が酷使される現代の病気、ドライアイ 角膜が傷つくと痛みを感じることも
 
岩上眼科 院長
岩上 英一氏
テレビやIT機器に囲まれ、つい目を酷使しがちな現代人に特有の病気がドライアイ。目の渇きで不快な症状が現れますが、生活習慣の改善や目薬で治癒はできるそう。症状や治療法を専門医に聞きました。

 ■ドライアイの原因は?
 目の乾燥で発症するドライアイは、2つの原因が考えられます。一つは特殊な病気で涙腺が傷み、涙の量が減るためですが、大半はもう一つの涙の質が低下するケース。ルチンと呼ばれるねばねばした成分や水分の量が減り、眼球の表面を覆い乾燥を防ぐ油成分が薄くなるのです。

 ■現代病とも言われています。
 パソコンやスマホなどに長時間接する生活習慣が大きな要因でしょう。まばたきの回数が少なくなることも一因とされています。また、女性の化粧も要注意。目の下の縁ぎりぎりまで塗ってしまい、油の分泌を妨げる症例が多いのです。さらに、冬はエアコンが大敵。室内の空気が乾燥すると、掛かりやすくなり、罹患者は症状が進行します。

 ■どんな症状が出るのですか?
 ごろごろするなどの異物感があり、角膜に傷が入ると痛みを感じることもあります。目の真ん中に傷が入れば、視力の低下にもつながりますね。また、まぶしく感じるという症状もあり、気が付かないうちにドライアイになっていたという人も多いようです。さらに、涙が出ることもあります。目が乾燥する病気なので、矛盾に思われるかもしれませんが、傷が入った場合、それを治そうとして涙が分泌されるのです。放置すると、傷口から細菌が入り、角膜潰瘍などになることもありますので、必ず治療するようにしてください。

 ■治療法について教えてください。
 検査は顕微鏡で傷を見つけたり、染色液で傷を特定したりというものです。また、涙が乾く時間を調べ、短ければドライアイと判定する方法もあります。ドライアイだと診断されれば、専用の目薬を処方します。人工涙液や水分をしばらく溜め込むヒアルロン酸性のものを症状に応じて処方しますが、最近は水分とムチンの分泌を促すものも出ており、大方は目薬で大丈夫。重症の場合は、涙が鼻腔に落ちていかないように通路をふさぐこともあります。

 ■ドライアイにならないようにする方法はありますか?
 普段の暮らしではまず、パソコンなどの作業中になるべく休憩を取ることが大事。まばたきも意識的に行うようにしてください。目線を下にするのも効果があります。上向きになれば空気にさらされる面積が増え、乾燥しやすくなるからです。加湿器で部屋の湿度を上げ、目の周囲を温めるのもよいでしょう。とにかく目を疲れさせず、潤いを与えるようにしてください。



 
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